2016年9月29日木曜日

アートセラピーやりたい

先日、保育所さんでお仕事する機会をいただき、行ってきました。その保育所さんは、芸術療法について、とてもご理解があり、過去に自由アトリエを経験くださっています。自由アトリエは、たくさんある画材の中から、好きなものを作ります。もちろん、テーマも何もない、純粋に作りたいものを作ってよいアトリエです。こんなことして、自由になりすぎて、わがままになってしまわないか? 大人は考えがちですが、子供は、やりきって満足すると、自分からすっと終了し、終わります。中には後片付けをする子までいて、親さんたちは「うちではしないのに!」と驚かれます。子供にとって満足する・・・という気持ちは、ただ、わがままに生きるということではありません。安心感と自由が土台となり、見守りとサポートによって満足した気持ちを獲得していきます。“できないこと”が多いなか、このような環境の中で自分の存在を受け入れられると、“できないこと”が、“できたこと”になり、ひとつひとつ、経験値があがり、それによって満足感と達成感につなげていけるのです。この小さな経験が、やがてのチャレンジ精神や、粘り強さや、できなかったけど次はこうしてみよう。という意欲と努力につながっていくものと、私は信じています。
 さて、この保育所でも、前日になって参加できなくなってしまった子がいたそうです。いろいろな家庭の状況で、どうしても参加できなくなってしまった・・・というのは、どこのご家庭でもありますね。楽しみにしていたイベントに、参加できなくなってしまうのは、子供にとってはまさに死活問題。とくに、長雨などが続くと、お出かけ・お外遊びもままならなくなり、ストレスもたまる一方です。 参加できなくなってしまったその子は、「アートセラピーやりたい」とかなり泣いてしまった・・そうです。心が痛むなぁ~。。おばちゃんが、迎えに行くよ~と思わず言いたくなります。
 自分にとって安心して表現できる場所、自分の考えで生きていける場所とは、小さい子にとっても大人にとっても精神を安定させていくうえで、必要だと感じています。加えると、そこに心理的な知識をもった大人が一人でもいた方がいいですね。
 必要な人に必要なだけ、必要な支援とサポートを、芸術療法で楽しく提供したいと常々思っています。が、芸術療法は、個人の内面的な問題が出発点になっていたりもするので、なかなか表に出にくい・・・。でも、確実にアートをしているとココロが元気になってしまうのですよ。。
 心の問題は、たとえ最初に小さな問題であっても(そう思えても)、その気になったことを小さな芽のうちに、しっかり対応していくことが大切です。
あなたの近くにも、気軽に、心の不調をゆっくり聞いてくださる方がいらっしゃいますように・・・。