2015年11月21日土曜日

全労済地域貢献助成事業「まごころケアホーム高湯の里」様

全労済地域貢献助成事業「アートを楽しもう! はじめのいっぽ」2回目を「まごころケアホーム高湯の里」で実施いたしました。80代~90代のみなさんが、臨床美術によるアート制作を楽しみました。

さつまいもは身近な食材ですが、最近ではたくさんの種類のさつまいもが販売されています。いろいろな品種のさつまいもを資料でご提示いたしました。その資料にみなさんなぜか?大盛り上がり。この盛り上がり方、小学生と変わりませんなぁ~と思いつつ、次は実際に食べてみました。。目をつぶって食べてみる。。すると、また大盛り上がり。女性はいつの時代も芋好きですな。
ですが、オイルパステルを出されると・・・・トーンダウン。。。あらら。だいぶ緊張なさっている様子です。。「練習ですよ。一緒に描いていきますからね」と、何度も伝え、じっくり練習の時間をとりました。すると、また声が出始め、笑い声が!

と、突然、ひとりのおばあさんが立ち上がり、「あ。これは前にやったことあるね。もしかして、あんときの先生がい?」とびっくりしたように話されました。そう、数年前にうかがって、一度ご体験していただいたときのことを、突然思い出されたのでした。「そうですよ!私来ましたよ。お久しぶりですね。私も○○さんのことは覚えていますよ」と伝え、ワークの最中でしたが、手と手を取り合って、再会を喜んだのでした~。どうやら、香りで突然記憶がよみがえってきたようです。
長時間のワークにもかかわらず、無事にワークは終了。みなさん、部屋を出て、帰られるときは握手をしてくださいました。「ありがとう。本当に楽しかった」「孫に見せる」とおっしゃってくださいました。そんな中、あるおばあさんが、私のもとへおいでくださりました。
「私はね、1年生のとき母親が死んでね、だから、絵を教えてもらったことがなかっの。ここではみんなが、母親のように優しくしてくれてね、今日は先生に絵を教えてもらったから、私、うれしかったの」そう、おっしゃって目から涙を流されました。
 アートは、ただの遊び・・そう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、今日この日ばかりは、確実に心の流れを感じました。その深さは、ひとりひとり違う深さで、ひとりひとりが、思い出や記憶とリンクしていて、消化されていなかったものが、消化されていく・・・そんな風に思いました。
少女のように笑いながら、色を塗るおばあちゃんたち。だんだん目に力が入っていく様子は、身体は思うように動かなくても、魂は衰えることなく美しく輝いていました。
素晴らしい時間をありがとうございました。