2023年7月27日木曜日

臨床美術親子の会「きょうはいないのかく」

 福島市で「臨床美術親子の会」を開催いたしました。かれこれ2年目になります。年中さんが今では一年生。しっかりと表現できるようになり、描きたい・描きたくないも自己主張できます。この時期の子どもたちは、この自己主張が本当に大切です。自分の気持ちに自分で気づくことができなければ、この先、何が自分にとって必要か? の判断が鈍ります。それと、横から手を出してくる大人の知恵が無いことも大切です。これって、今、子どもが、自立しようとしているときに、たくさんお世話してきた親御さんがぶちあたるもっとも難しいところです。

 こちらに通われているお母さまたちは、もうすでにそれらを乗り越えていらっしゃるので、上のような自由な表現になります。

 ある女の子が、何度も私に向かって「きょうはいないのかく」と呪文のように訴えてきました(#^^#) なに? とは聞き返しません。私も「きょうはいないのかく」と答えました。すると、目をキラキラさせて、また「きょうはいないのかく」と返してきます。私は、このやりとりをしばらく楽しもうと思い、ワークをスタートさせました。しばらくして、はっと気づきました。「きょうはいないのかく」は、「今日は居ないの描く」だったのです。1年生なので、ひらがなだったのですね!! 今日は「珍獣を描く」だったので、世界には居ない珍獣を描くということだったのです。

 どうしても、その場、そのとき、正したい。。という考えが先走ってしまうのが、悪い癖。たまには、わかないやりとりをどちらかがわかるまで、楽しむ。相手のペースに乗っかることは、決して悪いことではないのです。

ご参加いただいたお友達。また会おうね。ごはんたくさんたべてね。