近年では、アートはもはや子どもや高齢者が描く余暇活動の枠から飛び出し、医療・福祉・メンタルヘルス・ビジネスの世界へと飛び出しています。いえ、芸術とは、人間が言葉を持たなかった時代から何も変わってはおらず、現代がようやく近づいてきたのではと感じています。では、現代が芸術に歩み寄ろうとしている状況とはいったいどのような状況なのでしょうか。
2023年に経済産業省の「アートと経済社会について考える研究会」の報告書では、芸術や芸術家が、地域や社会にとどまらず企業、テクノロジー、流通など産業の発展につながると報告されています(ものすごく、ざっくり説明しています。ごめんなさい。時間がある方はぜひ全頁読んでみてください。興味深いですよ)。
そして、その中には、芸術を媒介にすることで、エンゲージメントが上がるとも書かれています(嬉しいことに「臨床美術」が一文紹介されています)。
絵を描く、色を使う、楽しく対話するという何気ない行為が、自分の内的なものを変化させ、成長させ、やがて自分を取り巻く多くの環境にいい影響を与えはじめる…個人的でもあり、対話的でもありますね。