2017年12月1日金曜日

私、失敗ないので。



・・・ 「し」が抜けてますけど?
アートを実施していると、とくに聞かれる言葉があります。「失敗したぁ~」です。その言葉を聞くたびに、その方には理想とするイメージがちゃんとあったんだなぁと思います。臨床美術をはじめたばかりの方は、どうしても「理想のイメージ」が頭にあり、それに程遠いと「失敗」という判断を下してしまいがちです。しかし、失敗は成功の基。と考える人なら、きっとポジティブな失敗なので、楽しんで続けていけるかな?と思います。
 ところで、、、臨床美術は「失敗しない」のではなく、「失敗は無い」のです。失敗したな?と思っても、「でも、ここはイイ感じだな」と思えるところが必ずあるのです。それを見つけるのは臨床美術士。なぜ見つけられるのかと言うと、「作り生み出す苦労を知っているから」です。臨床美術士は、みなさんの前で一緒にデモをしますが、それまでには試作を何作も作ります。どうやったらこの作品をみなさんが希望を持って最後まで作ることができるだろうか。作りたいと思ってもらうにはどう伝える?ということを延々と考えながら作ります。
 だから、「きっとここが苦労されただろうな」という部分がわかるのです。思わず失敗と言ってしまう気持ちもよくわかるのです。
Dみちこさんの「失敗しないので・・・」の・・・には、相当の練習と苦悩があったに違いない(笑)。
アートは自分の中のものがビジュアル化されてきます。それは紛れもなく、もう一人の自分です。だから、思うようにいかないと腹ただしくなったり、あきらめたり、投げ出したくなります。逆に、いいところを見つけると自分に希望を持ったり、可能性を見出すことができるのです。