2018年3月29日木曜日

震災ボランティア

先日、震災後から継続していたある仮設住宅での臨床美術のボランティアがひと区切りを迎えました。こちらでは6年間にわたり継続させていただきました。最後のセッションは、涙をこらえての・・・セッションでした。頭では参加者のみなさんの新しい門出。仮設を卒業され、新天地にて生活をスタートさせる喜ばしい日だとは理解しているものの、心はさみしい・・・と言っていました。参加者さんの中には、新天地に移っても、仮設でのコミュニティーを大切にしていらっしゃる方もたくさんいらっしゃいました。それぐらい、6年間の仮設暮らしは絆が深まった6年だったのです。
さて、私はと言うと、ぽっかりと穴があいてしまったのです。。まさか、こんな気持ちになるとは思いもよりませんでした。スタート時から、意欲的に楽しんでくださった参加者のみなさんでした。最後の日は「6年間もありがとうね」「いろんなの作ったね・・・」と温かい声をかけてくださり、ますます涙腺が緩みました。
ボランティアに来ていたのか、自分の心のケアに来ていたのか、私自身も、震災後すぐに父を亡くしたので、この臨床美術のボランティアでどれほど心が救われたか・・・。「あんたも大変だよね。福島はこっちより大変だ~」そんなことを幾度となく聞くたびに、「お互いに大変だったねぇ~」と笑いあえるようになりました。みなさんの温かさは決して忘れることはできません。
 震災があったことを、あらためて思い出す方も少ないと思いますが、被災地へ出向き、ボランティアをしていると終わりにできません。過去のことなどにはできないのです。そして、一日にして人生が180度変わってしまった方々を目の前にしていると、日々の暮らしをていねいに過ごすことが、どれほど大切で幸せなのか。を考えずにはいられませんでした。


心をゆさぶられ、人の強さと温かさを感じ、アートによって出会えたみなさんに大きな感謝を届けたいと思います。