2018年2月27日火曜日

寄り添えるアートを

ハンディキャップのある人もない人も、健常者と同じように、作品を作ることができる。少しのサポートと応援があれば、自分だけの作品を作ることができる。それは、自信と生きる意欲につながると思っています。私自身が腕関節が悪く、握力が弱いため、正直、紙を切断したり、長時間、芯の固い鉛筆を使い続けると中指から親指の付け根、肩が痛くなります。なので、ハンディのある人が、何かに挑戦するときの大きな大きな決断と「できるかなぁ・・・」と言う不安は、多少なりとも理解できます。


数年前に出会った片麻痺の年配の男性。そのとき私はまだ、会社員をしていたので、臨床美術がメインの仕事ではありませんでした。しかし、私はこの男性からたくさんの可能性を教えていただきました。何でも自分で作品を作ってしまうんです。そして、すばらしく自由な感性。知的で楽しくていつも前向き。私が隣にいても、何一つサポートしたことはありません。そのときから数年が経ち、今は交流はありませんが、今、気づくのは、きっとここまで来るには、ものすごい努力があったに違いないと思うのです。「いつか、私が臨床美術士として自信が持てたら、ハンディのある方へのアートをしたい」そう思っていました。
ただサポートするのではなく、ただアートを提供する側ではなく、やがて、サポートが無くても作品が作れるようになるまで、寄り添い、一緒に作るのです。

そしてこれは、ハンディがあろと無かろうと、同じなのだと思います。
サポートではなく、寄り添って受け入れるそんなアートをしていきたいと思っています。