2016年6月14日火曜日

茨城県古河市の皆さんと臨床美術

ご縁がありまして、茨城県古河市で、臨床美術の体験会を開催させていただきました。
モチーフは「きゅうり」。これからおいしくなる季節ですね。
ご参加くださった方の中には、きゅうりを栽培されている87歳のおばあちゃんがいらっしゃいました。なんときゅうりは2日もあれば、育つらしく、一日2回収穫できるくらい育つのが早いそうです。緑一色のきゅうり・・・と思いきや、よく観察するといろんな色が見えてきます。それぞれみなさんが、着目したところが、よく表れていました。

臨床美術のご参加を首を長ーくして楽しみにお待ちいただいたある参加者さんは、モチーフのきゅうりよりも大きく描いてくださいました。これには、参加者さん全員で大笑い。「ぜんぜん大きさが違う!!」「楽しみに待っていたから、その思いが出たのかも・・」。ご自宅に戻り、ご家族との会話も弾んだようです。
 実は、臨床美術を体験された方の感想は、「楽しかった」だけではありません。 「うまく描けなかった」「悔しい・・・」そんな声もあります。
みなさんは、この感想をどう感じますか? 私は、こんな感想を聞くたびに、“よしっ”と思います。意地悪?(笑)いえいえ、これは、脳と心が反応がした結果だと思っています。何より、真剣に画面に向き合ってくださり、心の対話をして下さったのだなぁ・・・と嬉しく思います。

脳はちょっとだけストレス加えてあげると喜びます。ストレスと言っても、人間関係やら、仕事やらのストレスではありません。脳が喜ぶストレスは、もっと“健康的なストレス”です。この“健康的なストレス”は、脳活性へとつながります。そのときです。自分の心がどう反応するか・・・。
できないことに対して、うまくいかなかったことに対して、「悔しい。もうやらない」と判断を下すか、「悔しいから、次こそは!」という反応を示すか。。「どうせ自分はこんなもんだ・・・」とあきらめるか。
このときに、臨床美術士はご自身の作品を愛おしく感じていただけるよう、最善を尽くします。
もちろん本心からです。なぜか? アートはその方の心の分身だからです。自分の作品を良しとしなければ、自分の心を大切にしていけないからです。 ご自身の心を大切にしてほしいと思うからです。
ちょっと長くなりましたが、今回ご参加くださったみなさんは、作品を作る過程において、さまざまなことを考え、さまざまな気づきをされた方が多かったので、感じたことを書いてみました。
アートを人間に授けてくださった神様がいらっしゃるなら感謝したいと思いました。